

サケのふるさと、村上市にあるサケの博物館。「イヨボヤ」とは村上地方で「魚の中の魚」を意味するサケを称えた呼び名。村上市を流れる三面(みおもて)川には毎年秋になると産卵のためにサケが遡上し、水中観察室からはその姿を観察することができる。その他人工河川による生態観察室、サケに関する資料展示など、サケの生態や歴史について総合的に紹介している。
館内ウォッチング
・三面川鮭観察自然館


毎年秋になるとサケが遡上する三面川。三面川鮭観察自然館では三面川に面して水中観察窓が設けられており、自然のままのサケを観察できる。


あいにくと前日雨が降ってしまったため、川の水がちょっと濁ってしまって視界は悪かったが、白い水の中に浮かびあがるように現れるシルエットは実に感動もの。
その体には全身に無数のキズが刻まれ、ここまでの長い苦難の旅路をひしひしと感じる。力強く、たくましく、そして美しい・・・。勇者たちの姿がそこにある。
・生態観察室

館内の人工河川でもサケを飼育しており、一年を通じてサケの生態をじっくりと観察することができる。

とくに秋にはサケたちの産卵行動を見ることができてオススメ!
今回注目したのはこちらのカップル。仲良く寄り添ってほんと仲むつまじ〜い。


体をくねらせて尾びれでガリガリと川底をこすりつけるメス。これは産卵するための産卵床を作っているところで、何度も何度も尾びれで川底をアタックして穴を掘っていた。

そしてその間オスはどうしているかというと、他のオスが近づいてこないようにしっかりとメスの周囲をガードしている。他のオスが近づいてくると、猛ダッシュで駆け寄って追い払う。

「ぐおおおおお〜!!」

「うがあああああ〜!!」
右へと左へと鬼のごとく猛ダッシュ〜!す、すご・・・。(笑)
しかしここまでオスが必死なのは理由があり、実はサケの世界は人間以上にハード。強いオスがメスとカップルになるのは他の動物とも同じだが、たとえ他のオスとの戦いに勝ってめでたくカップルになったからといって最後まで油断はできないのである。サケの受精はメスが産んだ卵にオスが精子をかけることで完了する。無事にメスが卵を産み終えて、いざオスが精子をかけようとしたその瞬間、なんとそこに負け組のはずの他の弱いオスが隙を狙ってささっと割り込んで先に精子をかけちゃうこともあるのだ〜!(せこ〜っ)そうなったらここまでの苦労が全て水の泡・・・。だからオスがこんなに必死になるのも当然というわけ。
しかし弱いオスの方もあらゆる手段で狙ってくる。正面からぶつかるのがダメなら、なんとメスに化けて近づいてくるヤツもいるらしい・・・。(これまたせこ〜っ!)まさにサケの恋愛事情はサバイバル〜〜!


孵化場で誕生を待つ受精卵。受精卵は約60日で孵化し、かわいいサケの赤ちゃんたちが誕生する。そして再びサケたちの生命のドラマは受け継がれていく。
・資料展示室、サーモンシアター、こどもさかな科学館

サケに関する資料も充実。サケの生態やサケと人間の歴史などについて詳しく解説している。
サケとイクラをデザインしたエントランス。なかなかオシャレ〜。奥にはサーモンシアターがあり、三面川のサケを美しい四季の風景とともに紹介している。

伝統的なサケ漁の漁具。小舟を使う「居繰り網漁」、鉤でひっかけて釣る「てんから漁」など、昔ながらの漁法が現在でも受け継がれている。

鮭皮を加工した製品も展示。ジャケット、帽子、靴、ベルト、財布・・・、全身サケでコーディネート可能〜。(笑)

サケの生態をパソコンなどを使ってわかりやすく学習できる「こどもさかな科学館」。大人でも興味津々の内容で面白い。
パソコンでは「絵あわせ」ゲームも楽しめる。シャキーン!う〜む、体がちょっと違ったか・・・。

シャキーン!では今度はどうだ〜〜!
・・・って、余計ひどくなってるって!

シャキーン!やった〜、ついに完成〜〜!
・・・って、違う〜〜〜〜っ!(お前、わざとやってるだろ〜〜〜〜!笑)
・種川と青砥武平治

さて村上のサケの歴史について語っておかなければならないのが、種川と青砥武平治。
種川とは三面川の本流に沿って人工的に作られた分流で、江戸時代に村上藩士青砥武平治の発案によって作られた。三面川鮭観察自然館から見たのはこの種川の水中の様子で、この種川の中ではサケを捕ることは禁じられている。これは江戸時代に乱獲によって村上のサケが減少した時、青砥武平治がサケの回帰性を発見し、種川を作って無事に産卵できる場所を確保することによって再びサケを増やすことに成功したのである。彼がいなければ現在のサケのふるさと村上は無かった。まさに日本のエコロジーの先駆者、リスペクト!
おすすめグルメ
・鮭料理

イヨボヤ会館に隣接するサーモンハウスでは、鮭料理が食べられるレストランや鮭を使った特産品を販売しており、村上名物のサケを味わうことができる。

鮭せいろ御飯。ふっくらとしたコシヒカリに鮭がたっぷりと。もうアツアツでおいし〜。豊かな恵みに感謝!
まんじまるCHECK!
知っているようで知らなかったサケの生き様をウォッチング。そこには数多くのドラマに満ち溢れた世界があった。そして種川にこめられた一念が、現代の我々が忘れかけている大事なものを思い出させてくれた。我々人間とともに生きてきたサケ、その恵みに改めて感謝。 (2007年10月)

